「三位一体」は矛盾の産物

 三位一体とは、キリスト教教義の中心をなすもので、父なる神と子なるキリストと神より出て働く聖霊は、唯一なる神の三つの姿であって、一体のものだとする教義である。

 キリスト教会の信仰内容には、当初から二つの相いれにくい要素があった。すなわち宇宙の創造主である唯一神の観念と、キリストは神なりとの教えは、たがいに矛盾する。これをどう調和させるべきかは、当然起こるべき問題であった。神の唯一超絶性を強調すれば、キリストは教えを説いた単なる人間となり、キリストの神性を認めれば多神教的となる。初期教会内では、子なるキリストを父なる神の下位におく傾向があった。

 アレクサンドリアのアリウスは超絶的神と世界との間を結ぶものとしてロゴス(神のことば)を考え、その肉となったものを子なるキリストとした。子は父が無より第一に創ったもので、子を通じて父は世界を創造する。子は被造物のうちの最も高貴なるもので、父と本質は同じではなく、神とよぶことはできても、真の神ではないと説いた。この説は論争をまき起こし、教会を分裂させた。

 コンスタンチヌス一世は統一を回復するため、全教会の会議を催す必要を感じ、小アジアのニカイアで一二二五年五月六日第一回の公会議を開き、アレクサンドリアの助祭アタナシウスらの努力で、前述のアリウスの信條は否定され、いわゆるニカイア信修が定められ、三位一体の教義が確立された。すなわち、「キリストは父なる神の本質より生まれ、神よりの神、光よりの光、真の神よりの真の神。創られずして生まれ、父と本質において一にして、天地のものすべてこれより成る」と定義された。しかし、この正統派の信仰も的確な説明を与えるには十分ではなく、いくらかの異端を生むことになった。

 最近、日本の政治の場面でも、「三位一体改革」という言葉をよく耳にする。これは、国と地方の税財政改革のことで、①国から地方への補助金を減らし、②その代わりに税金を国から地方に移す。③財政の弱い自治体に出す地方交付税を縮小する。この三つの大きな制度改革をまとめて変えようとする動きで、「三位一体の改革」と呼ばれている。



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