売り言葉に買い言葉

「お前、俺のことバカにしているだろう」
「まさか・・・・・・考えすぎだって」
「とぼけなくてもいいさ。お前の性格はよく知ってるんだ」
「どういう意味だよ。お前こそ、あちこちで俺の悪い噂を流してるクセに」
「なんだと。言いがかりをつけるのか」
「お前が先に言いがかりをつけたんだろうが」

 それまではふつうに話していたのに、いつの間にか日喧嘩になってしまった経験はないでしょうか。互いに責め合い、ののしり合う。周囲の人はもちろんのこと、喧嘩をしている二人だって、どうにかしたいと内心では思っていますが、「売り言葉に買い言葉」で、口喧嘩は延々と続く:©うまくいっていない者同士と、仲のいい者同士の会話によるコミュニケーションを比較した研究があります。主な違いは次のとおりです。

① コミュニケーションの意図
仲が悪い同士でも、わざと相手を陥れたり、怒らせようとは思っていません。一方が怒るのは、相手の言葉を深読みし、悪意を感じてしまうからです。
② 否定的なインパクトを与えるコミュニケーション
うまくいっていない者同士は、相手にとって否定的な情報を互いにやりとりしていることが多いものです。
③ 非難し合うコミュニケーション
「お前が悪い」「あなたのせいよ」というように、互いに相手を非難します。仲のいい者同士は、不平はいっても互いの行動の正当性を認める発言もします。
④ 勝負のコミュニケーション
うまくいっていない者同士は、勝つか負けるかという考え方をしやすいのです。「相手を言い負かしてやる」と喧嘩腰になります。一方、仲のいい者同士は、意見が食い違っても、話し合うことで両者の妥協点を探し、解決しようとします。
⑤ 悪意を読み取るコミュニケーション
通常の会話では、言葉のやりとりをしながら、相手がどんな意図でそういっているのか、心理を読み取ろうとします。うまくいっていない者同士は、互いに相手の心を悪意に解釈してしまい、関係はますます悪化します。それに対して、仲のいい同士は、互いに相手の心を善意に解釈しようとするので、より親しくなります。
⑥ メタ・コミュニケーションから脱出できない
メタ・コミュニケーションとは、「話が見えなくなった」「今いったこと、何か意味あるの?」というように、会話の本筋からいったん離れることをいいます。仲のいい者同士にも時々みられますが、元の会話の続きにすぐ戻れます。一方、うまくいっていない者同士は、一度メタ・コミュニケーションに入ると、抜け出せません。
⑦ 自己完結的コミュニケーション
自分のいったことをまとめて繰り返す話し方で、嫌いな人や相手に腹を立てている時によくみられます。

 どんなに親しい者同士でも、一度や二度はケンカをしたことがあるにちがいありません。「ケンカするほど仲がいい」といいますが、ケンカをしたことで、互いのホンネや性格、考え方についてより理解を深める場合もあります。友達づき合いにしても、欠点を含めた相手に好意を持っているからこそ、つき合いが続くのです。

 ところで、ケンカには暗黙のルールというものがあります。
アメリカのある学者によると、二人がケンカした時は次の三つの解決方法があるといいます。

① 良い闘い(グット・ファイト)
② 悪い闘い(バッド・ファイト)
③ 闘いからの逃避

 親しくなりはじめた相手と、意見の食い違いからいい合いになったとしましょう。
②の悪い闘いはケンカ別れになるようなケースで、二人の関係は破綻します。@は、とにかくケンカをやめ、その場は取り緒いますが、相手と二度と会いません。会ったとしても距離を置き、表面的なつき合いに変わります。いずれも、相手と疎遠になることはあっても、それ以上、親しくなることはありません。

 もちろん、相手との関係や立場のちがいにもよりますが、ケンカをするのは、どちらにとっても気分の悪いものです。たとえ相手と二度と会うことがなくても、心にしこりが残ります。今後も会う機会があれば、なおさらでしょう。できれば妥協線を探し、和解して、今後も良いつき合いを続けていきたい。そのためには、どうすればいいのでしょうか。相手を傷つけまいと、言いたいことを言わずにいる人がいますが、ストレスがたまるだけで、相手への不満がいつしか憎しみや恨みに変わり、あるとき突然怒りを爆発させてしまうケースも少なくありません。

 いつもはおとなしく、真面目な人ほど、怒ると怖いのは、ふだん感情を抑圧しすぎるからです。相手に反論がある場合は、なるべく相手にそれを伝えたほうがいいのです。問題は、言うタイミングや言い方、そして万が一ケンカに発展した場合の態度です。もちろん、この場合にもっとも望ましいのは、①の良い闘いです。良い闘いの基本は、相手のいい分にも耳を傾けること、相手の立場に立って考えることです。相手の意見を遮って自分の考えを主張したり、自分の立場だけを優先するのでは、何の解決にもならないどころか、相手の反感を招くだけ。したがって、ケンカをするときは、公平なルールに基づき、相手との妥協線を見つける方向で、冷静に話し合いを進めていくことが大切です。つい感情的になって、売り言葉に買い言葉になってしまうことがあるかもしれません。
しかし、あとで相手が「ちょっと、いいすぎたかな」と後悔して謝ってくれれば、たいていの人は、気分がおさまるのではないでしょうか。「いや、こっちも悪かった」と同じように詫びることで、関係は修復できます。せっかく親しくなっても、一度ケンカすると、必要以上に距離を置いたり、二度と会わないという人がいます。「どうせこの人に言っても理解などしてくれない」と最初から引いてしまいます。また、つまらないプライドやメンツにこだわり、自分からは絶対に謝らない人、相手が謝ってきても強固な態度を変えない人も、親しい人はなかなかできません。このような人ほど、自分と同じ考えや価値感を持つ人とつき合いたがりますが、人を成長させるのは、むしろ違った考えや価値観を持っている人とのき合いなのです。

 良い闘いとは、いわばホンネをいい合うことです。正面から問題をぶつけ合うことで、解決に結びつく場合は多いし、二人の関係を良いほうに発展させていきます。そしてまた、相手を知ることは、自分を客観的に眺めるいい機会でもあるのです。

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